ルールは必要それとも不要|厳密運用と裁量運用

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ルールなど決め事を決めると組織が硬直化するのでしょうか。ルールにも柔軟性を持たせることが重要です。厳密に運用するルール、ある程度裁量を持たせるルール。そしてコミュニケーションが必要です。

組織が大きいか大きくないかは別として、2人以上の人が共に働く場合、ルールをあらかじめ作成しておいた方が、何かトラブル等があったときに対応がしやすくなりますし、従業員が個別に判断できる領域が広がり動機づけらます。

会社の基本的なルールとして、「定款」があります。「定款」とは、会社の基本的なルールが記載された書類です。会社の名前など必ず必要な事項、金銭等のトラブル防止のために決めている事項、どう公告するなど記載事項がある程度自由な場合があります。

ここでは、定款等の法的に決めておかなければならない事項について説明するのではなく、会社の運営上必要なルールの作成と運営する時の”コツ”みたいなことを紹介します。

自動車を運転する時、道路には必ず法定速度というものがあります。仮免許で運転している自動車以外の既に運転免許を所有している人は、この法定速度50km/hなら50km/hで運転している人は少ないと思います。ある程度の車の流れがあり、その流れに乗って運転していることが一番安全な運転ではないでしょうか。

ルールの運用もこれと同じことが考えられます。ルールを厳密に守ることも重要ですが、ルールを基本にある程度幅を持たせた運用も重要なことです。厳密に運用しなければならないルールと、ある程度裁量があるルールがあります。ルールを作るときはこの2つ点に留意して作ることを推奨します。裁量があるルールは、自動車で制限速度50km/hを流れに沿って60km/hで走行することを選択できるルールです(道路交通法上は認められていない点を留意願います)。

ISO9001が日本で話題になったとき、日本人はこの型にはめた取組に抵抗を示した経営者も多くいたのではないでしょうか。ルールを厳格にすることは官僚化し会社の柔軟度を弱めると。

つまり「ルール=官僚的」というイメージです。特に大企業の場合、”自分の会社は官僚的だ何とか活性化しないと”というイメージが強いようです。中小企業ならいざしらず大企業の場合、各部署の長は定期的に変わる可能性もあり、ある人の時は白であったものが次の人の場合黒になるという、部下からみたらやってられないという状況になる場合が否定できません。このような組織は、結果的に組織としてのまとまりがなくなり、従業員のやる気も低下します。意外と大企業の方が悪い意味で属人的な場合が散見されます。

厳密に運用すべきルールは、1回あたりの交際費は○○円と数値で運営する等具体的な表現で作成します。一方ある程度裁量を持たせるルールは、ある程度抽象的な表現になります。参考になるルールは法律です。

裁量を持たせたルールは、それを利用する人によって判断基準が変わるため、経営者が意図していない判断で仕事を進める場合も想定されます。この場合、その判断をした人と話し合い、”なぜそのような判断をしたのか”を個別に話し合います。この時、叱責するような話し合いは絶対ダメです。相手の価値観等を理解し相手が納得するような形で改善することが重要です。

ルールを作成する時はこの2つの面について留意して作成し、コミュニケーションを取りながら運用してみてはいかがでしょうか。

Point

必要性:従業員動機づけ面からも中小企業でもルールは必要

2面性:厳格なルールと裁量を持たせたルールの2つを適切に活用する

運用面:なぜそのような判断をしたかじっくりコミュニケーションを取りながら改善する

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