ある程度会社が大きくなり、営業部門、経理部門、総務部門と組織を機能的に設置し、そこに担当者を割り当てることだけが組織を作ることではありません。箱を作っても魂を注入しないと組織は成立せず活性化しません。
ツール解説|バーナード組織の3要素とは?
バーナードは公式組織を、「意識的に調整された2人以上の人々の活動と諸力のシステム」と定義しました。そして、組織の成立条件として、「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3要素を挙げ、どれか一つでも欠けると組織不全になると提唱しました。
出展:ブレない組織に必要不可欠な3要素とは(東京都よろず思念拠点 経営者応援ブログ)
つまり、組織が組織として成り立つためには、「共通目的」「貢献意欲」「コミュニケーション」の3要素が必須であると提唱しています。組織を作ることは、“組織=組織の構造”、つまり総務部、経理部、営業部などの箱を作ることと考えている人が多いですが、まずはこの3つの要素が必須となります。
実践的活用方法|活性化された組織を作るには
実際の現場ではこのバーナードの組織成立の3様相の言葉を使うことはありません。以下のように意訳して話をしています。
- 会社の目標を立てましょう
- 重要なキーワードを念頭に従業員とは話をしましょう
- やる気をどう出させるか考えましょう。
組織は、複数の人が事業の目標を達成するために作る集まりです。この3つの要素をある人(この人は実業団でバスケットボールをしていた方で現在はお子さんのバスケットボールのコーチ的な存在の人)に話をしたところ、高校生のバスケットボールのチームのミーティングでこの話をしたとのことです。よく考えると、バスケットボールのチームも、数名で役割を決め、連携して試合に勝つという目標を達成するために集まった仲間で組織です。
機能ごとに組織の箱を作り、これを図にして”我が社の組織は”というのも重要です。しかし中小企業の場合従業員の数にも限りがあることから、箱を作る前にまずはこの3つの要素について検討することを推奨します。組織の機能面は、従業員に割り当てることで成立しますし、役割を明確にすることでやる気を醸成できます。バスケットボールならポジションを明確にすることです。そしてこのバスケットボールで言うポジションが組織の箱、総務部、経理部、営業部となります。練習中や試合中に声をかけ連携することを、組織でも実施しコミュニケーションを取ります。
このように、3つの予想を意識して組織を運営することが、活きた組織を作ることになります。組織が大きくなればなるほど、経営者は箱を作ることが組織を運営する第一歩と考えがちです。
ふと数年して気が付くと、数年前と同じような組織構造になっているなと気が付く人がいます。気が付くのは、箱を作った経営者ではなく従業員だったりします。気をつけましょう。
- 成立要素:3つの要素ができているか確認しできていない場合は確立する。
- 箱の設定:3つの要素を基本に箱の役割を明確し人を割り当てる。
- 意思疎通:箱の中又は箱の間でコミュニケーションが取れているか注意する。