「売上ー費用=利益」ではなく、「利益=売上ー費用」と因果関係で考えることで、売上を確保するためにどんな費用(投資)がかかるのか、その結果、経営者の成績であり将来の事業資金になる利益をどの程度確保できるかという因果関係で捉えることが重要です。
一般的に、「売上ー費用=利益」という数式で収益性を考えていると思います。“=”は右と左の因果関係を示す記号と考えれば、この式の意味は、「利益を生み出す原因は売上から費用を減算した結果を示す」となります。特に違和感がない理解です。
さらに原因から結果が導かれると考えると、「利益という原因が売上から費用を減算した結果になる」となります。これでも違和感がない理解です。でも結果を導くのは原因があるからで、時系列的に考えると、原因→結果です。すると、利益が売上と費用を作り出していることになります。ここまで来ると変です。
では、「利益=売上ー費用」と考えるとどうなるでしょうか。売上から費用を減算した結果、利益がでるとなります。つまり、売上ー費用が原因で、利益が結果です。
なぜこんな理屈っぽい考え方をするのか?この様なことを知らなくても問題ないじゃないかと考えるのはすごく当たり前です。でも少し考えてみてください。ニュートンの第2法則では、F=mαです。これは、質量;mに加速度;αを乗じると、力:Fが生まれるという因果関係の式です。物理的な云々はここでは意味がないので避けますが、収益性も因果関係で考えることが先人の考え方と合うのではないはないでしょうか。
つまり、売上から費用を減算した結果利益がです。結果の利益をまず考えて、その原因ある、売上と費用をペアで考える考え方です。売上を確保するためにどうするか、売上を重視することは悪いことではないですが、費用をペアで考えるのではなく、売上の次に考える考え方は問題です。費用には金銭的なものだけでなく、信用を失う損失等を含めると理解しやすいのではないでしょうか。
結果の利益をまず考える。利益は、事業活動の結果つまり成績であり、将来の事業に投資する原資として必要なものです。満足する成績表はなんですか。学生時代はオール5、優30個以上等々です。事業における良い成績は何でしょうか。このことを考え利益目標を設定する必要があります。
成績が良くても長続きしないとまぐれとも言われます。成績は継続して残さないと将来に投資する原資を確保することも難しくなります。
次にこの結果を達成するため原因である売上と費用を考えます。この売上と費用はペアです。まず売上次に費用ではありません。売上を上げるにはどの程度の費用がかかるかを考える必要があります。経営者は、常にこの売上を確保するための費用を考え、適切なペアを創造する必要があります。
一度、結果から原因を考える考え方を取り入れ、最適なペアを創造するためにはどうするか、売上主義、利益主義ではなく、売上と費用のペアと因果関係での収益性の考え方で、収益性の基本的なツール;利益=売上ー費用を活用されたらいかがでしょうか。
- 結果:結果である「利益」の必要額を算定する。
- 原因:「売上」と「費用」はペアで考える(例:売上を上げるための投資(費用)はいくらか)
- 因果関係;「売上」と「費用」を算定し結果(「利益」)が必要額を満足するか関係を算定する。