人にも歴史があるように会社にも歴史があります。一般に会社の歴史は「沿革」で表現されていることが多いです。会社の沿革、つまり変遷を再度見直すことで、自社がなぜいままで生き残れてきたのかの源泉、「強み」を見つけることができます。
ツール解説|SWOT分析の「強み」とは?
SWOT分析とは、自社に関する強み(Strength)と弱み(Weekness)と外部の環境に関する機会(Opotunity)と脅威(Threat)の頭文字を取ったフレームワークです。この4つの要素を以下の様に図式化して使います。
出展:https://j-net21.smrj.go.jp/special/mangadewakaru/01.html
プラス要因 マイナス要因 内部環境 強み(Strength)
自社の持つ強みや長所、得意なことなど弱み(Weakness)
自社の持つ弱みや短所、苦手なことなど外部環境 機会(Opportunity)
社会や市場の変化などでプラスに働くこと脅威(Threat)
社会や市場の変化などでマイナスに働くこと
補助金を申請する場合には、このSWOT分析を行い、この分析から戦略を立てる経緯を示すことが多いです。一説によると、中小企業はこのような分析をすることが少ないため、中小企業庁がこだわって要求しているとの話もあります。
この4つの要素それぞれ重要なのですが、これらの中で一番重要なのは「強み」です。何かしらの強みがあるから事業が続けられてきたのです。自社の強みは一体何なのか考えることは、会社をどう存続させて行くかの源泉を明確にするだけでなく、顧客の満足度を高めることになります。
SWOT分析とは?と調べるとたくさん事例がでています。どれも基本的な部分は同じです。色々調べて、自分にあった記事を参考にすることをお勧めします。
実践的活用方法|沿革の見直しで強みの再発見
会社の戦略や今後の事業計画を立てる場合、この会社の強みは何ですか?とは直接には聞きません。社長が自慢できることは何ですかと聞きます。その会話からその会社の強みをを探し出します。
ではご自身で会社の強みを見つけることはできないのでしょうか。
沿革って言葉ご存知でしょうか。簡単に言えば会社の歴史のことです。創業者が会社を設立してから現在までのいろいろなことを記載したものです。個人では経歴書みたいなものです。
一般的には、外部人たちに対し、自社がどんな会社であるかを知ってもらうために、作ることが多いです。この沿革は会社のいろいろなことを記載したものです。つまり会社の過去の大きなイベントや出来事が記載されているはずです。例えば、個人事業から法人に組織変更したことや、資本金を増資したこと、新しい製品やサービスを販売開始したことなどが記載されています。
会社の歴史ですから過去のことを記述した書類です。それゆえ、思い出に浸りノスタルジックになる時間に浸ることは、過去の栄光にすがる人がすること、後ろ向きな人などと否定的な感覚になるかもしれません。
でも、事業の過去を思い出すこと、少し堅い言葉で言えば会社の沿革を見直すことは、組織がいままでどのような歴史を歩んできたか、会社の理念の再確認や会社の強みの再認識等に役立ちます。
長く会社を運営できてきたのは、その会社が何かしら顧客に取って便利なこと、価値のあることを提供してきたからです。沿革を見直すことで、自分の会社は顧客にこんか価値を提供したから生き残ってきたんだと再認識することができ、その基本となって理念を想起することができます。
確かに時代がいまと違うから、あの時代はよかったけどいまはそうはいかない、と考えることもあるでしょう。でも、なぜあの時代の強みがいま活かせないのか、その原因を考えるよい機会してください。
事業は継続することが重要です。是非一度自社の沿革を見直すことで、自社の強みを再認識することをお勧めします。強みの認識が変わる機会になるかもしれません。
まとめ
- 検 索:自社の「強み」は何か資料となる「沿革」から探索する。
- 発 見:沿革から自社の過去の「強み」を見つける。
- 育 成:現在も「強み」になっているか評価しどう改善・育成するか考察する。